ムエタイの歴史
日本ではタイ式キックボクシングとも言われるムエタイ。脚以外にも、両手、両肘、両脚、両膝の八箇所を用いて相手と戦う。
タイ王国の国技であり、試合の前には儀式を行う。発祥や国内における立ち位置など、日本の相撲に近い性質を持っている。だが、相撲よりもよりタイの人たちにとってムエタイは身近な存在であり、剣道や柔道、空手を習うようにムエタイを習う。そして、ここも相撲と大きく違うところになるが、試合は賭博の対象になる。もちろん、国が認める賭博であり、この点においては競馬に近い。
さて、このムエタイだが、その歴史を紐解けば、アユタヤ王朝がミャンマーのコンバウン王朝に滅ぼされた際、捕虜となったナイ・カノムトムがミャンマーの拳法家を破り家族でタイに戻ったという伝説が出てくる。タイでは、小学校の教科書にも登場するほどの英雄なのである。日本でいえば、大和武尊とかが近いのかもしれない。
その後、ムエタイはタイにおいて男性の強さを計るものとして広まっていった。
日本では、1959年(昭和34年)にタイ人同士のムエタイの試合が東京で行われた。
そこから、キックボクシング(ムエタイ+空手+ボクシングという複合格闘技)が日本で生まれるきっかけとなったのだ。
日本におけるムエタイ
そんなわけで、当時キックボクシングに燃えたかつての少年たち(今だと50後半から60代くらい)は、かつてタイ旅行に行けば「ムエタイパンツ」を嬉々としてお土産に選んだわけである。
日本とも縁浅からぬムエタイであるが、国技ということもあり、相撲と酷似しているが女性がリングに上がってはならないというジムもあるほど、神聖なものなのである。
しかし、全身運動になることに加えて蹴り技やパンチを繰り出す動作で腰を使うことから、女性の美しいプロポーション作りにも一躍買うのでは?!ということで、最近では女性がムエタイを習うケースも多くなってきたという。
もちろん、リングに上がり試合をする目的ではなくあくまでも美容目的ということで・・・。
日本において、スイカなどに美しい彫り物をするカーヴィングが一部のセレブ層に受けているそうだが、そのセレブ妻たちがカーヴィングを習う場所はタイが多いという。これは、旦那の駐在先に着いていき、その地で習い事を習うため。
となると、これから、ムエタイが再び「美容のためのスポーツ」として輸入されてくる可能性は高い。
ウォーキング、マラソン、トレッキングに続くブームになる可能性もあるので、注目していきたい。
ムエタイ・フェスティバル2014
そのようなポテンシャルを感じるムエタイの熱気やすごさを体感するのならば、アユタヤで開催されるムエタイ・フェスティバルに行ってみよう。
プロアマのムエタイの試合、儀式を余すことなく見ることができる。
今回、ゲストで呼ばれた超人気ムエタイ選手ブアカオの試合は本当に盛り上がりに盛り上がっていた。
彼は元K-1チャンピオンなので、見たことがある人、名前を知っている人もいるかもしれない。
世界中からムエタイ選手が集まるので、日本からも岡田敦子をはじめとした選手が来タイしていた。ちなみに、2014年の参加国は29カ国!!ムエタイの世界的人気っぷりがうかがえる。
そのほか、僧侶による儀式やパレード、象乗りなど「お祭り」の名称にふさわしい充実した内容になっている。
毎年3月中旬のこの時期には、タイ本国はもちろん世界中のムエタイファンが心待ちにするムエタイ・フェスティバルで熱い時間が繰り広げられる。
せっかくのタイへの旅をするならば、こんなホットでディープな旅もいいだろう。
もちろん、世界遺産の観光もお忘れなく。