【イベント】『楽園』芸術の秋、スポーツの秋、大阪で熱く映画とスポーツを語る

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綾野剛×佐藤浩市×瀬々監督 大阪で舞台挨拶
芸術の秋、スポーツの秋、大阪で熱く映画とスポーツを語る
CS中の 阪神タイガースにもエール
<映画『楽園』公開記念舞台挨拶>

◆日程:10月9日(水)
◆場所:場所】 TOHO シネマズ 梅田 ・ 本館 スクリーン
◆登壇ゲスト:綾野剛、佐藤浩市、瀬々敬久監督(敬称略)

多くの観客で埋め尽くされた会場に 、綾野剛、佐藤浩市、 瀬々監督が登場。すると、事前に登壇者を知らされてなかった観客からは驚きと興奮に包まれた 歓声が沸き起こった。

綾野さん:
「皆さん、こんばんは。大阪~大好き~! お客さん「いえ~い!」 いいですね~。 これがやりたかったんです。今日の一番やりたかったことが できました 。今から作品を観て頂くということで、砕けてもよくないかなと思いつつ、この時間はこの時間なので。楽しみましょう。宜しくお願いします。」

佐藤さん:
「どうもこんばんは。佐藤です。えーー、壊れてます 笑 。今日は朝から稼働していて、ちょい壊れかけています 笑 。 楽しめるような作品ではない と思いますが 、何か持って帰って頂きたいなと思います。本日はどうぞ、宜しくお願い致します 。」

瀬々監督:
「一時期関西に住んでいたこともあったので、お!ナビオ阪急か。と思って来ました。あとこの劇場は 、シネコンらしからぬ、昔ながらの劇場スタイルなので、いい感じだなと思っています。今日は宜しくお願いします。」

とそれぞれの挨拶で和やかにスタートした。

関西への思いに対する質問に「関西大好き!」と即答した綾野さんは「大阪で撮影をしたことがないので、今後ぜひ大阪で撮影がしたい。」と熱望。 撮影場所はたくさんあるのでぜひという MC に対し「ほんまですか?いや、ゆうてもでしょ~?」と関西弁で突っ込むシーンも。
一方、 佐藤さんは 「僕らの世代は京都の撮影所が非常に多くの作品を撮っていた時代なので、僕にとっての関西は京都ですね」と 振り返った 。

3名とも『 64 ロクヨン 』でタッグを組んでおり、今回それ以来の再集結となった 。 瀬 々 監督はお二人の魅力を「綾野さんは 15年以上前、まだこんなにメジャーになる前から知っているけれど 、 繊細さとインディーズ魂を持ち続けており、作品の大小に関わらず取り組んでくれ、それが作品によく出ているなと思います。浩市さんは、見えないと思いますけど同い年で 笑 、頼れる上司みたいな役が多いですが、実はとても優しい心の持ち主だなと 思っています」と語った。

綾野さんは佐藤さんに対し、 「『 64 ロクヨン 』からずっと背中を見続けていますね。浩市さんの背中には修羅があるというか、 今まで起こった色々なことや思いを背中から感じるんです。今回ご一緒出来ることになった時もとても安心感がありました。普段はプライベートでも 食事に行ったりします」と信頼感をにじませた。一方、佐藤さんは綾野さんを「ハードな部分とソフトな部分を持ち合わせていますね。中堅と呼ばれる一番難しい年齢に差し掛かっていますが、例えば、綱渡りをするにしても安全な渡り方をしたいって思う役者もいるけれど、どうせやるなら目隠しして渡った方がおもしろいでしょって言えるハードな面もあるし、冷静にちゃんと人を観察している面もあり、すごく多面的な部分を持った役者だと思います」と絶賛。照れた綾野さんは「 今 めっちゃ観察してます」と客席を見つめ、笑いを誘った。

また、 本作の役にちなんで〈追い詰めたこと、追い詰められたことはあるか〉 という質問に対し 、 綾野さんは「自分で自分を追い込んで、追い詰められて い ますね。どうやったら映画に対して等価交換できるのかということを考えて精神的にも追い込んで 、 今回もいいとこまでいけたかなと思います」とストイックさを感じさせた。
対する佐藤さんは「僕らの時代は追い込まれまくりですね。相米信二監督というワンシーンワンカットで有名な監督がいて 、 『魚影の群れ』という映画の 撮影 初日は午前中いっぱいリハで、午後になってやっとテイクを回し始めて、何十テイクも撮った後に 、 今日はもうやめようと言われて凄く ショックでした。けれどそういった追い込まれた状況っていうのは 、 その後の自分にとって決してマイナスじゃなかったと 思いますね 」と当時を振り返った。
一方、昨日 飲みすぎた という監督は 「僕はもう毎日追い詰められて生きてますよ。いまも追い詰められてます。はやく帰りたいです」のセリフに、すかさず 綾野さんが 「ただの二日酔いじゃないですか」とつっこみ、場内は笑いに包まれた。

また、最近大盛り上がりのスポーツについて話題がおよび、スポーツ大好きな綾野さんは「ラグビーに、世界陸上に、マラソンのMGC に、そろそろ出雲駅伝も始まりますよね!本当によだれダラダラです。 映画はどこか虚構な部分がありますが、スポーツは無条件で本当に 圧倒的なノンフィクションですよね」と目を輝かせた。
佐藤さんは「我が横浜ベイスターズは阪神タイガースさんに先日負けましたもので。ぜひ阪神タイガースの皆さんには巨人戦頑張っていただきたいと思います!!」とエールを送り客席から大きな笑いと拍手が起こった。するとなんと巨人ファンだという監督が「さっき速報をみたら現在巨人が勝っているそうです!僕の嫁は阪神ファンなので、帰ったらバトルが起きる と思います」と続けた。

最後はそれぞれ、
監督:
「丁度 1989 年に監督になって 30 年目になるのですが、 『楽園』は 30 周年記念映画だと思っています 。 いつの間にかなんでこんな時代になっちゃったのかなぁと、普段思ったりします 。こんなにいがみ合ったりとか、国と国が憎しみあったり、こんなはずじゃなかったなぁと。そんなことを思いつつ作った映画です。 何か感じてもらえればいいなと思います。 」

佐藤さん:
「掛け違えたボタンというのは掛け直すことができるんですけど、掛け違えたボタンを掛け 直す こともできずに、自分で一番望まない所に向かってしまう弱者がいるという事を、観て考えて頂けたら嬉しいなと思います。その中で、そこに『楽園』 というこのタイトルの意味合いとかを色々オーバーラ ップにして考えてほしいです 。」

綾野さん:
「この映画が皆さんにとって、出会ってよかったと思える作品になったら本当に幸いですし、舞台挨拶前も流れて いましたけど、《一縷》 という曲があります。これは 一括り、ひとまとめ という言い方もできるんですけど、きっとこの作品で皆さん打ちのめされる部分もあると思いますし、苦しくなる部分もあると思います。ですがこの楽曲が必ず皆さんを包み込んでくれていると信じております 。帰られた後、ご家族だとか、お子さんなのか、兄弟なのか、彼氏なのか彼女なのか 、 自分にとって大切な愛おしい人をもう一度抱きしめてみてください。この映画は、世の中には抱きしめなければいけない人がいるということを、僕たちは映画という形で伝えられたらと思っておりますので、皆さんにこの映画を託します。是非受け取って頂けたら幸いです。 」
と挨拶し締めくくった。

『楽園』

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STORY
「悪人」「怒り」吉田修一 × 『64-ロクヨン-』瀬々敬久× 綾野 剛・杉咲 花・佐藤浩市
最高のキャスト・スタッフで贈る、心えぐられる衝撃作

「悪人」「怒り」など映像化が続くベストセラー作家・吉田修一。その最高傑作と評される「犯罪小説集」が、
『64-ロクヨン-』を大ヒットさせた名匠・瀬々敬久によって、遂に映画化。
主演にはその実力と人気の高さからトップスターの座を築いた綾野 剛。確かな演技力で急成長をみせる杉咲 花が、緊張感溢れる本編に華を添える。そして日本を代表する名優・佐藤浩市が、重厚なドラマを支えて作品世界を完成させた。
更には、柄本 明、村上虹郎などの顔ぶれが揃い、令和元年、新たな衝撃作が誕生する。ある地方都市で起きた幼女失踪事件。
家族と周辺住民に深い影を落とした出来事をきっかけに知り合った孤独な青年・豪士と、失踪した少女の親友だった紡。
不幸な生い立ち、過去に受けた心の傷、それぞれの不遇に共感しあうふたり。
だが、事件から12年後に再び同じY字の分かれ道で少女が姿を消して、事態は急変する。
一方、その場所にほど近い集落で暮らす善次郎は、亡くした妻の忘れ形見である愛犬と穏やかな日々を過ごしていた。
だが、ある行き違いから周辺住民といさかいとなり、孤立を深める。次第に正気は失われ、誰もが想像もつかなかった事件に発展する。2つの事件、3つの運命、その陰に隠される真実とは―。
“楽園”を求め、戻ることができない道を進んだ者の運命とは―。

STAFF&CAST
原作:吉田修一「犯罪小説集」(KADOKAWA刊)
出演:綾野剛 / 杉咲花
   村上虹郎 片岡礼子 黒沢あすか 石橋静河 根岸季衣 柄本明
   佐藤浩市
監督・脚本:瀬々敬久
配給:KADOKAWA
映画『楽園』公式サイト
10月18日(金)全国ロードショー

©2019「楽園」製作委員会